治療

ステロイド

抗リウマチ薬

その他

Q.ステロイドの効果や副作用を教えてください。

A.ステロイドの使用経験豊富な医師のもとで適切に用いれば、副作用を最低限に抑え、安全に治療を受けられます。

ステロイドは確かに感染症や骨粗しょう症、動脈硬化など好ましくないことも起こしますが、抗免疫効果や、抗炎症効果は絶大で、ステロイドによって症状が抑えられたり命が助かったりと、とても効果が高い薬です。

ステロイドの副作用を恐れるあまり、ステロイドの恩恵を受けられないのは残念なことです。ステロイドの使用経験豊富な医師のもとで適切に用いれば副作用を最低限に抑え、安全に治療を受けられます。

ただし、薬を飲むのは患者さんご本人なので、なぜステロイドが必要なのかを納得のうえで始められることをお勧めします。まずはステロイドを始めると言った医師にステロイドの必要性についてよく説明を受けてみてください。

Q.ステロイドの投与を止めたいのですが。

A.決して、自分の判断でステロイドを中止しないでください。

ステロイドは生存のために必要不可欠なホルモンです。健常人では、副腎という腎臓の上にある臓器から一日にプレドニン錠なら5mg、デカドロン錠であれば0.5mgとほぼ同等のステロイドホルモンが分泌されており、血糖を保ったり、蛋白や脂肪をエネルギーに換えたり、カルシウムやナトリウムのバランスを保ったり、免疫や炎症を調節したり重要な役目を果たしています。

病気に対して、ステロイドを投与する目的は免疫や、炎症や、アレルギーを抑えることですが、残念ながら好ましくない作用も出てしまいます。顔が丸くなるなどもそのひとつで、その他にも感染症、糖尿病、骨粗しょう症、消化性潰瘍、動脈硬化などが挙げられます。

しかし、ステロイドを突然やめることはできません。というのもステロイドを外から補充している間に、副腎からステロイドホルモンを分泌することを体がやめてしまうからです。したがって、急にステロイドをやめた場合、血糖を保ったり、エネルギーを産生したり、塩分のバランスを保ったり、炎症を調節したりすることができなくなり、ひどいときには命に係わることもあります。ですから、自分の判断でステロイドをやめることは絶対しないでください。必ずステロイドを処方した医師に従い、ゆっくりと減量するようにしてください。ステロイドが減量できれば顔の丸いのも元に戻ります。ただし、病気が抑えられない場合はすぐにステロイドを減量できないこともあります。

Q.リウマチ薬の効果を教えてください。

A.今服用している薬剤の副作用など、よく医師と相談されることをお勧めします。

抗リウマチ薬は疾患修飾性抗リウマチ薬*1と呼ばれ、免疫の異常を修飾することで関節リウマチの活動性をコントロールする治療薬です。効果の発現までに2~3ヶ月かかり、同じ治療を続けていても、再び悪くなることがあります。効果の出方は個人差が非常に大きく、今のところ、効果があるかを薬投与前に判断することはできません。

日本で使用されている主な薬剤の副作用

  • メトトレキサート(リウマトレックス):間質性肺炎、骨髄障害、肝障害
  • スルファサラジン(アザルフィジン):皮疹
  • ブシラミン(リマチル):皮疹、蛋白尿
  • レフルノミド(アラバ):肝障害、骨髄障害、間質性肺炎

抗リウマチ薬は副作用発現率が高く、効果とともに副作用がでないかを診ていくことになるので、必ず定期的に受診し血液、尿検査、レントゲンなどを施行、また副作用と思われる自覚症状があれば、早めに受診するようにして下さい。

  • *1疾患修飾性抗リウマチ薬:disease modifying anti rheumatic drugs : DMARDs

Q.リウマチ新薬の効果や副作用を教えてください。

A.新薬のご使用を希望される方は、掛かりつけの医師とよくご相談の上ご使用をお勧めします。

近年開発、承認された新薬は以下です。

タクロリムス(プログラフ):移植の領域で使用されていた免疫抑制剤のひとつで、2005年より関節リウマチへの使用が承認されました。症状が20%良くなることを基準にみると、30~50%の人に効果があると報告されています。腎機能障害、高血圧、高血糖などの副作用があり、血中薬物濃度を測りながら内服量を決めていきます。通常、毎日夕食後に1回内服します。

イグラチモド(コルベット・ケアラム):日本で開発されたDMARDsのひとつで2012年に関節リウマチへの使用が承認されました。治験では20%良くなることを基準にした評価で50%以上の人に改善がみられ、副作用としては胃腸症状、肝障害が多くみられました。出血リスク増加のためワルファリン(ワーファリン)との併用はできません。通常最初の4週間は1日1回朝食後に内服した後は1日2回(朝食後・夕食後)内服します。

TNF阻害薬:関節リウマチの病態に関係する物質の働きを選択的におさえる生物学的製剤の一種です。細胞間の情報伝達を行うサイトカインのひとつであるTNFの働きを抑える作用を持つ、インフリキシマブ(レミケード:2003年承認)、エタネルセプト(エンブレル:2005年承認)、アダリムマブ(ヒュミラ:2008年承認)、ゴリムマブ(シンポニー:2011年承認)、セルトリズマブ(シムジア:2013年承認)の5種類が日本で承認されています。インフリキシマブはメトトレキサートとの併用が必要です。症状が20%良くなることを基準にみると、50~70%の人に効果があると報告されています。副作用は、感染症、間質性肺炎、脱髄疾患などがあります。インフリキシマブの点滴間隔は2週、4週、8週と徐々に間隔をあけ、4回目以降は8週毎に静脈点滴(所要1~2時間)します。その他のTNF阻害薬は皮下注射です。エタネルセプト、アダリムマブ、セルトリズマブは自己注射可能です。

IL-6阻害薬:TNFと同様に関節リウマチの病態に関係する物質であるInterleukin-6(IL-6)の働きを選択的におさえる生物学的製剤の一種で、IL-6受容体に対する抗体のトシリズマブ(アクテムラ)は主に本邦で研究開発され、2008年に関節リウマチに対して承認されました。副作用には感染症、肝機能障害、脂質異常症などがあります。トシリズマブは、4週毎の静脈点滴(所要1時間)もしくは、2週毎の皮下注射(自己注射可)です。

T細胞共刺激阻害薬:2010年にアバタセプト(オレンシア:Cytotoxic T Lymphocyte-associated Antigen 4-Immunoglobulin(CTLA4-Ig))が承認されました。抗原提示細胞からT細胞への刺激を抑え、関節リウマチに効果を発揮する生物学的製剤です。3回目までは2週毎の点滴で、その後は4週毎になります。

JAK阻害薬:関節リウマチの炎症に関与するシグナル伝達経路にあるJanus kinase(ヤヌスキナーゼ)と呼ばれる細胞内物質をおさえる内服薬で、TNF阻害薬に匹敵する効果が示されています。2013年に承認されたトファシチニブ(ゼルヤンツ)は、通常1日2回内服します。副作用として、感染症、血球減少、脂質異常症などがあります。

Q.膠原病を漢方薬で治すことはできますか?

A.リウマチ・膠原病は体の様々な免疫が関与した複雑な疾患で、時には様々な病態を示します。

「膠原病は治りますか?」の項でも説明しましたが、残念ながら膠原病は現在の医学では“治す”という事は出来ません。しかしながら“寛解状態”にすることは出来ます。漢方医学でも残念ながら“治す”という事は不可能です。しかし、膠原病のそれぞれの症状に応じた投薬が行われており、効果があるものもあるようです。当院には、漢方クリニックがありますので相談することは可能です。