教授挨拶

慶應義塾大学リウマチ・膠原病内科ホームページをご覧頂き、ありがとうございます。本教室は、リウマチ・膠原病を専門とする最も伝統ある教室で、大学と充実した関連病院の密な連携によって、目覚しいスピードで進歩するリウマチ・膠原病領域の診療・研究・教育を牽引しています。最新の医学的エビデンスと患者さんの価値観に基づいた最良を提供すべく、伝統を礎として臨床現場と研究室で日々新しいことを学び、疾患克服にむけて教室一同真摯に取り組んでおります。

臨床

リウマチ・膠原病内科では、免疫機構の異常によって多臓器に炎症や障害をきたす全身性自己免疫疾患・自己炎症疾患を担当します。単一の臓器に限定されず、免疫異常を病態とする臓器障害を横断的に幅広く拝見することが特徴です。疾患の特殊性のため診断でも治療でも専門性が非常に高い一方で、複数の臓器障害や治療で誘発されうる感染症や骨粗鬆症などの合併症からは、内科全般や他科にまたがる幅広い知識と経験が求められる面もあります。疼痛や倦怠感など慢性的な自覚症状を苦しむ患者さんの声にしっかりと耳を傾け、患者さんを中心として、リウマチ医、他診療科医師、看護師、薬剤師、理学療法士など多職種が連携したチーム医療を実践して参ります。

研究

研究面では、免疫という外部と接しながら自己を守る精巧で絶妙なこの機構が崩れるメカニズムを追究しています。リウマチ・膠原病領域では、病態の責任分子の一部が明らかとなり、特異的分子標的療法が次々と開発され、診療はこの20年間で目覚しい進歩を遂げています。私達の教室では、自己抗体の臨床応用、世界的標準薬の日本への導入、分子標的薬開発、治療戦略確立など、臨床に還元できる研究で世界をリードして参りました。しかし、依然として多剤抵抗性関節リウマチや膠原病に併発する間質性肺疾患や血管炎などの難治性病態については、未解決の課題が多数残されています。基礎研究と臨床研究両方をバランスよく展開して病態解明と研究成果実用化にアプローチし、また共同研究を通じて慶應、日本、そして世界の叡智を集結して新規治療開発に邁進致します。

教育

次世代を担うリウマチ医育成にも全力を尽くします。全人的医療を実践できる医師を育て、さらに臨床免疫学やリウマチ学を共に学べる人材を育成することは、使命であると同時に大きな喜びでもあります。経歴は全く問わず、多様性は大歓迎。育児両立、留学、イノベーションなど、学内外、国内外でのチャレンジを心から応援します。個々の希望や個性に合わせた柔軟な教育プログラムを設置し、若手医師の発想力と思考力を伸ばして、未来のリウマチ・膠原病界の発展に貢献して参ります。