教授からのメッセージ

慶應義塾大学リウマチ・膠原病内科ホームページへようこそ!ここをご覧頂いているみなさんは、多少なりともリウマチ・膠原病学、そして私たちの教室にご興味を持って頂いているかと思います。人間がこの多様で過酷な環境の中で生存できるのは免疫というシステムがあるからです。リウマチ・膠原病内科医はこの免疫システムの異常によって全身に影響する疾患のプロフェッショナルです。ぜひ私たちと一緒に臨床と研究と、そして課外活動?にも従事して、一生の仲間としてリウマチ・膠原病分野を発展させていきましょう!

私が慶應義塾大学リウマチ・膠原病内科を選んだわけ

医学生の前半に基礎医学を集中的に学んだ際、最も興味を持ったのが免疫学でした。慶應大学では自主学習といって、数か月間さまざまな研究室に属して研究を行う講座がありますが、このとき免疫異常による全身疾患に携わってみたくて、リウマチ・膠原病内科を選択しました。募集人員2名に対して応募は5名!成績の悪い私はダメかなと思いましたが、当時の指導医三森経世先生(前京都大学教授)は全員を受け入れて下さいました。リウマチ・膠原病を面白いと思ってくれる方はみんな大歓迎という風土はこの頃から培われてきたのですね。研修時代はリウマチ・膠原病に触れる機会は少なかったですが、だからこそこのスペシャルな分野の専門家になりたいと思うようになり、平形道人先生(慶應義塾大学教育統轄センター教授)のもとを訪ねました。先生方の臨床・研究に対する熱意とアットホームな雰囲気に、ここでなら苦しい時も楽しく仕事ができると確信して入局を決めました。


今までの失敗談・成功体験

失敗談はたくさんあるのですが、書けることと書けないことがあるので・・・。リウマチ・膠原病内科に入局した後、諏訪昭先生(故人、元東海大学准教授)の外来でベシュライバーをしながらリウマチ・膠原病の外来診療を勉強していました。いつのまにか、外来終了後メーヤウで大辛カレーをご馳走になり、医局へ帰るときにコンビニで私がハーゲンダッツアイスとポップコーンをお返しするという習慣ができ上がり、半年もしたら私は数キロ太り諏訪先生はコレステロール値が急上昇していました。あのとき肥大した脂肪細胞は今でももとに戻りません・・・。

人生は大小さまざまな成功体験の積み重ねと思っていますので、成功体験もたくさんあります。イギリス留学中、少し時間ができたので滞っていた論文執筆活動にいそしんでいましたが、3本同時期に意気揚々と投稿したら一斉に辛辣なリジェクト返事が戻ってきました。投げ出したくなりました。しかし、ご指導頂いていた桑名正隆先生(現日本医科大学教授)からいちいちへこんでいてはいけないと叱咤激励され、修正を重ねて最終的にすべて国際雑誌に掲載されました。諦めずに頑張れば達成できることを学んだ成功体験です。


今あらためて想う慶應リウマチ・膠原病内科の魅力

みなさん、ご自分の周囲を見回してみてください。人間は一人ひとり違いますね。そして、人間以外の生物や植物がたくさん存在しますね。こんな多種多様な世界で個々が独立しながら共存できるのは、免疫という高度で精巧なシステムが備わっているからです。しかし、免疫の歯車の狂いはリウマチ・膠原病という臓器横断的な全身性疾患を引き起こしますし、アレルギー、癌、流産などにも関連してきます。医学が進歩した現代でも新しい免疫細胞が発見されており、臨床免疫はまだまだ発展していく非常に面白い学問です。そして、問診・診察・画像・組織と臨床免疫学で得られた知見すべてを駆使して患者さんの状態を評価・考察し最善の治療を構築していくリウマチ・膠原病内科は、全人的に患者さんを診療する内科そのものだと思います。慶應リウマチ・膠原病内科は先代の竹内勤先生(現慶應義塾大学名誉教授)の教えを引き継ぎ、全員が家族として助けあい支えあっています。議論と笑顔が絶えない職場、そこが魅力だと思います。