入局を迷っている研修医・学生の方の疑問にお答えします。
Q. リウマチ・膠原病に興味がありますが自分一人で診ることができるか心配です
A, 病棟診療は、現在4チーム制で、1チーム3-4名程度で構成される屋根瓦式チーム(スタッフ医師-チーフ医師-主担当医-(初期研修あるいはローテーション医師))を単位として、協力して実施しています。治療方針は、チーム内での相談によって決定されており、主担当医は一人で悩むことなく、診療経験を積むことができます。病棟回診、病棟カンファレンスが週2回行われ、様々な分野の専門スタッフからの助言を受ける機会を設けています。
外来診療ではスタッフ医師によるマンツーマン指導下での診療から開始し、初診・予約外患者の診療、他科からのコンサルテーション、そして外来主治医へと徐々に責任の範囲を広げていく教育方針としています。中心静脈の確保等の観血的手技については、上級医の指導下で開始し、経験を積み独立して施行できる院内ライセンスの取得まで指導をしています。また、近年重要となっている関節超音波検査についても、日本リウマチ学会登録ソノグラファーが週4-5コマ検査を実施しており、これらの医師の指導の下で習熟できる環境を整えております。医療安全については最優先事項として考えており、セーフティマネージャー中心に問題を未然に防ぐ対策を講じています。
大学病院における専門研修は一般病院に比べて医師数が多く、充実した教育体制が最大の特徴です。特に専門研修では経験豊かな指導医による教育が重要です。特に本学は購読できる専門誌、自己学習、自己学習用の教材も国内有数で大変充実しています。さらに、当科にはいつでも親身に相談相手となる上級医が多く、風通しの良い雰囲気があり、安心して診療に打ち込めると思います。
Q. 大学病院は休日がなく、オンコールばかりと聞きます
A, 病棟診療はチーム制で診療をおこなっています。夜間帯および休診日はオンコール当番体制となっています。病棟担当医以外の教室員も加わり、月に4-5回程度ですが、夜間の急変や緊急入院対応のための出勤は比較的少ないです。これとは別に内科当直が月1回程度の割り当てがあります。時代の変化とともに、医師の働き方改革、業務効率化などの取り組みが行われ、労務管理する上級医が常に働き方に目配りをしています。
Q. 研究や学会発表、論文作成に興味がありますが、初心者でも大丈夫でしょうか
A, 当科はアジア太平洋リウマチ学会(APLAR)のCenter Of Excellence(COE)施設に2017年に認定されるなど、本分野における国内有数の研究機関です。研究成果は国内学会のみならず国際学会において発表され、さらに論文として公表されています。
担当症例の症例報告に始まり、症例集積研究、そして、臨床疫学研究、基礎、トランスレーショナル研究へと段階的に進めていきます。研究テーマに関しては、希望と習熟度に応じて指導医から与えられ、相談しながら進めていきます。症例報告では、定型の方法をまず習得した後、さらに魅力的なスライド作成や発表の方法も学ぶことができます。英語による学会発表、論文作成についても、経験豊富なスタッフによる指導体制が整っています。
Q. 慶應義塾大学出身の先生ばかりでしょうか
A, 年により変動はありますが、本学卒がやや多いものの全国から様々なバックグランドと志を持った方が数多く入室しています。歴史のある教室ですので、様々な大学出身の先生が入室され、日々診療・研究・教育に打ち込み、切磋琢磨をしています。多様性を広げるために広く門戸を開いているのが慶應義塾の伝統ですが、最近では大学教育の国際化を推進しており、海外からの短期・長期の研修生を積極的に受け入れています。
Q. 関連病院はどのような病院がありますか
A, 東京都、神奈川県を中心とした関東地方に多くの関連病院を有しております。慶應義塾大学の関連病院とは、常勤医、非常勤医の人事交流、病病・病診連携、学生教育、臨床研修、研究等を通じて緊密に連携しております。
将来の研修・勤務地として関東地方を念頭に置いている方には、幅広い選択肢を提供できると考えています。また、当教室出身の先生は全国各地で活躍されておりますので、希望によっては遠方であっても相談することができます。
Q. 出産や育児との両立ができるか心配です
A, 女性医師が活躍できる教室を目指し、様々な取り組みを行っております。病棟診療のチーム制の採用など業務効率化を進めることにより、教室員の様々な働き方の希望に沿う様に配慮しています。出産、育児による勤務時間の希望がある場合は、業務を調整することが可能です。現在、複数の女性医師が週3回半日程度、子育てしながら外来診療や関節超音波検査の業務等に従事しております。
Q. 慶應リウマチ・膠原病内科の魅力は何ですか
A, リウマチ膠原病内科は頭のてっぺんからつま先まで、くまなく全身を診察すること、患者さんの訴えをよく聞く事が極めて重要な診療科の一つです。幅広い一般内科医としての知識だけでなく、臨床免疫学を応用した専門性の高い知識が必要となります。当科では、一つの臓器に偏らず全身を管理する総合力が身につきます。また生物学的製剤などの治療薬の進歩から、劇的に回復する患者さんを目の当たりにすることも多く、医師としてのやりがいを感じる魅力もあると思います。