検査について

Q.抗核抗体が陽性といわれました。

A.陽性だからといって、必ず病気であるとは限りません。

抗核抗体とは自分自身の体を構成する細胞の核に対する抗体(自己抗体)で、膠原病の患者さんの血液中に、高頻度に検出されます。現在、抗核抗体には50種類以上の疾患と関連する特異自己抗体があります。これらは特定の疾患や臨床症状と密接に関連することから、膠原病の診断、病気の勢い(疾患活動性)、治療薬の効果判定、経過や予後の予測に役立つとされています。

抗核抗体は、間接蛍光抗体法という測定法で広く検出され、膠原病の診断を進める際の最も基本的なスクリーニング検査です。しかし、健康でも陽性となる人が抗体価が40倍(血液の40倍希釈で)陽性で10~30%、80倍で10~15%、160倍で5%いるため、陽性だから必ず病気とはなりません。とくに高齢者、10歳代女性での陽性率が高いとされています。また、慢性肝疾患、感染症(伝染性単核球症など)、悪性貧血、特発性間質性肺炎、橋本病などの膠原病以外の疾患などでも検出されますが、これらの疾患では、抗体価は低い(40倍以上160倍未満)ことが多いです。

したがって、40倍以下は陰性、40倍から80倍では症状や他の検査所見などを含めて検討し、評価します。抗体価の高い場合(160倍以上)には、更に詳しく二次スクリーニング検査(二重免疫拡散法、固相化酵素抗体法(ELISA)、免疫ブロット法、免疫沈降法)を行ないます。

Q.リウマチ因子が陽性といわれました。

A.リウマチ因子陽性であっても、関節リウマチとは限りません。

リウマチ因子*1は免疫で重要な働きをする抗体の主成分であるIgGに対する自己抗体です。関節リウマチ*2患者さんの血液や関節液の中に高率に検出されるため、関節リウマチ診断に欠かせない検査となっています。

リウマチ因子の関節リウマチ発症初期の陽性率は30~70%ですが、疾患の進行とともに陽性率が上昇し、発症2年で80%が陽性となります。しかし、全経過を通しても20%の関節リウマチ患者さんはリウマチ因子陰性ですので、リウマチ因子陰性であっても関節リウマチは否定できません。また、リウマチ因子は関節リウマチに特異的な検査ではなく、全身性エリテマトーデス(SLE)など他の膠原病、肺疾患、慢性肝疾患、感染症などでも陽性となることが知られています。

健康な人にも数%で検出され、陽性率は年齢とともに上昇し、75歳以上の高齢者では約25%にも達します。したがって、リウマチ因子陽性であっても、関節リウマチとは限りません。

  • *1正確にはリウマトイド因子:rheumatoid factor:RF
  • *2関節リウマチ:rheumatoid arthritis;RA